この記事で分かること
- AWS資格の難易度や推奨取得順序について
はじめに
一部、改定前に取得した試験(経験)に対しての記事となりますので、ご了承ください。
(SAA、SAPなど)
また、本記事は2024/6時点の記事となります。
お読みいただくタイミングによっては、情報が古くなっている可能性がありますので、
ご了承ください。
また、全て私の感想・主観です。
皆さんの背景知識により、難易度や資格取得順序は異なると思いますので、
あくまで参考程度にお読みください。
まずは、各試験の概要/難易度を記載し、
その上で私が考えるお勧めの順序を記載します。
クラウドプラクティショナーについて
・AWS Certified Cloud Practitioner(CLP)
これは特に留意点はありません。
入門編なので、試験範囲はある意味広いですが、
サービス名をただただ暗記していけば取得可能かと思います。
アソシエイト4種について
アソシエイト3種は昔に比べると中々曲者になったような気がします。
・AWS Certified Solutions Architect - Associate (SAA)
ソリューションアーキテクト、2022/8末に改定され、SAA-C03となりました。
当時は、一問一答のクイズ形式的な設問が多かった印象ですが、
サンプル問題を見たところ、
現在は結構ちゃんと読んで回答しなければ足元をすくわれるなぁ、という印象です。
出題範囲が広いため中々に難しいのですが、AWSの基礎が詰まっている試験ということから
AWSビギナーの登竜門となっているように思います。
意外と難しい!
・AWS Certified SysOps Administrator - Associate(SOA)
2021/7に改定が行われ、AWS試験初の「試験ラボ」が導入された試験です。
私は「試験ラボ」導入後に取得しました。
当時の問題集を見たところ、比較的試験範囲も狭く簡単な印象がありましたが、
ラボが入ってきたことで激変!
ラボが中々に難しい。
「〇〇で××をやってくださいーー」という結構ざっくり感のある指示で、
合っているのかどうか非常に不安な中で回答していき、さらに後戻り不可というオマケ付き。
試験時間も高度資格と同じ180分のため、非常に骨が折れる。
私はラボ問題が2問でしたが、試験要綱的には
「次の試験ラボに移動する前に、試験ラボのすべての作業を完了する必要がある」と記載があるだけなので、
2問以上、というのが正しい表現になるのか、、な。
ただ、各ラボに掛かる目安時間は「20分」と明記されているので、
2問と考えておいてよいでしょう。
試験に出るサービスを使っていたとしても、
そのサービスのその機能は使ったことない・・・
という状況だったのは記憶に新しいです。
ただ、多肢選択式/複数回答式、の方の難易度はそこまで変化はなかったように思います。
ラボの問題は、研修等で受けるのもよいと思いますし、
自前アカウントはすぐに始められますから、自前アカウントで各種サービスを使い倒してみる、
というのもよいと思います。
2024/6/26追記
ラボは2023/3/28以降一時的に無くなっています。
ラボ復帰の目途は不明
2024/6/26追記ここまで
・AWS Certified Developer - Associate(DVA)
単純な難易度で言えば、2023/2時点では確実に一番楽です。
・AWS Certified Data Engineer - Associate(DEA)
2024/3にリリースされた試験です。
同時期に廃止されたAWS Certified Data Analytics - Specialty(DAS)の後継と言っても
過言ではありません。アソシエイトレベルに難易度は落としているものの
2024/6時点では参考書は無くWeb問題集も少ないため
難易度は若干高めです。
上記を踏まえて、ただただAWS資格取得のため、というだけであれば、
DVA ⇒ SAA or SOA ⇒ DEA
の順番もありだとは思います。
ただ、私の会社もそうですが、その他の方のブログなども拝見していると、
ソリューションアーキテクト(SAA)
から取得している人が多いように感じます。
(というより、SAAを推奨している会社が多い、ということかもしれません)
これは前述のとおり、SAAはAWSの基礎知識が習得できるため、
地盤固めとして、SAAを推奨しているのだと思います。
私はなぜかプラクティショナーを飛ばしてSAAから取得しました。
今思えば、プラクティショナーからにすればよかったと思いましたが、
その後の試験勉強を振り返ると、SAAを早めに取得しておいて良かった、とも思いました。
ですので、私もSAAからの取得をお勧めします。
SAAは中々難しいですが、これを乗り越えると他の資格試験に手を伸ばしやすいです。
ポイント
・アソシエイト3種で最初にお勧めなのは(難しいが)SAA
・SOAはラボ試験が入ってきたことでグッと難しくなった。
高度資格について
2023/2現在、プロフェッショナル2種と専門知識6種、あります。
・AWS Certified Solutions Architect - Professional (SAP)
言わずと知れた、AWS最難関の試験。
何が最難関って出題範囲が広く、また、問題文も長い!とにかく長い!
そして、今はマシになりましたが、日本語が壊滅な場合もあり、
英語の方も読んだり、ということもあります。
選択肢は、
「サービスの使い方が間違っているから除去」
「そんなサービスは存在しないから除去」
といったものが無いとは言いませんが、あまりそういったものは無く、
どれもAWSとして実現は可能という選択肢が多いです。
なので「コスト」「セキュリティ」「可用性」「耐障害性」等、何に重点を置いているのか、
を読み取る必要があります。
さらには「コストに気を付けつつ、セキュリティも必要」的な場合も多々あってしんどい・・・。
あと、意外と見落としがちなのは、問題文に「制約」が記載されていたら、
それを必ず履行する選択肢を選ぶ必要があります。
例えば、「レガシーシステムのためアプリケーションはAWSへ移行できません」と書いてあったら、
絶対にAWSへ移行できないので、全てを丸っと移行させるような選択肢は除外できます。
今は「間違えるわけないよ」と思っていても、
これがテスト本番、170分で65問を解いていくとなると集中力が落ちてきて、よくよく見落とす部分です。
間違いなく一番タフな試験だと思います。
・AWS Certified DevOps Engineer - Professional (DOA)
SAPが難関過ぎて、若干忘れられがちなもう一つのプロフェッショナル資格。
が、この試験も2023/3/7から変更される模様ですね。
当然プロフェッショナルなので難しいのですが、
SAPに比べると回答が比較的素直な印象がありました。
また、Codeシリーズと運用系サービス(CloudWatchやconfig)を問題集でちゃんと理解していけば、
それなりに点数が取れる試験だと思います。
正直あまり印象に残っていない試験です・・・・。
・AWS Certified Security – Specialty(SCS)
高度資格の中では最も簡単な部類と思われる試験です。
刊行されている参考書をしっかりこなせばそれだけで合格ラインにかなり近づきます。
KMSをしっかり理解しつつ、併せて問題集もやっておけばバッチリです。
・AWS Certified Database - Specialty(DBS)
SCS同様、高度資格の中では最も簡単な部類と思われる試験です。
そして、SCS同様刊行されている参考書を、、以下略。
AWSのデータベース群における肝入りサービスである
DynamoDBとAuroraがとにかく問題に出てくる印象でした。
(まぁ、ベンダー試験ですから当たり前ですね)
2024/6/26追記
2024/4/29を以て廃止されましたが、
参考のため記載は残しております。
2024/6/26追記ここまで
・AWS Certified Advanced Networking - Specialty(ANS)
SCSやDBSと違い、参考書は刊行されていますが、
参考書だけで試験に突っ込んでいってはいけない試験です。
参考書そのものは非常によくできているのですが、
ANS試験改定前に刊行された参考書のため、後述するTransitGatewayに関する記述が少なすぎます。
2022/7/12に改定されたANSは、
TransitGatewayの登場により、ベストプラクティス等もガラッと刷新されたものとなっています。
(「TransitVPC」が回答になっている問題集はやめたほうがいいです)
2023/2現在、Web上ではちらほらと問題集は出てきていますが、
それでもサンプル問題が少ない状況ではあります。
まずは、兎にも角にもTransitGatewayですね。
このTransitGatewayに関するベストプラクティスをAWSブログで漁ったり、
構成図を地道にノートに書いて覚えていきました。
昔から難関といわれている試験ですが、
その難易度は維持したまま、むしろ現在は対策問題が少ないからさらに難易度が高く、
個人的には、SAPに匹敵するくらいの印象でした。
(私がNWが弱い、というのもありますが)
・AWS Certified Data Analytics – Specialty(DAS)
個人的に最もお気に入りの試験です。
内容としては、データレイクと分析サービスを活用する、というものです。
非常にお勧めな参考書があるので、別途DASの試験勉強の記事でご紹介したいと思います。
(データレイクをS3、Redshiftに展開して、Glueを使ってETL実行、分析をするというもの)
実際に使ってみることで、試験と経験とがガチっとリンクした満足感のある試験でした。
2024/6/26追記
2024/4/8を以て廃止されましたが、
参考のため記載は残しております。
2024/6/26追記ここまで
・AWS Certified Machine Learning - Specialty(MLS)
AWS資格試験の中で、個人的に最も異質と思う試験です。
正直、MachineLearningを実務として携わっていないと理解が非常にしづらい。
多変数〇〇、××回帰、モンテカルロ法・・etc
等の用語の理解からになる人もいると思います。
私自身は理数系の学科卒なので、そこまで抵抗はありませんでしたが、
吐く人は吐くんじゃないかな・・・。
人による敷居の高さが最も変動する試験だと思います。
ですので、試験の難度を評価するのが難しいのですが、
問題集で慣れれば、考えずに即答、という問題が増えてくるので、
簡単・・?んーー、評価が難しい。。
・AWS Certified: SAP on AWS - Specialty(PAS)
略称がPASって・・SAP on AWS - Specialty ってこと?
2023/2現在、私が唯一取得していない試験で、現在進行形で勉強中です。
ですので、偉そうに難度は書けないのですが、
試験の中身としては、SAP社が開発しているERPパッケージを
AWS上にどのように載せるか、移行するか、運用するか、を問う試験のようです。
ですので、SAP(こちらはソリューションアーキテクトの方)を持っていれば、
比較的スムーズに勉強ができるんじゃないかな、というのが今のところの感想です。
取得出来たら、改めてここの記事を書き直そうと思います。
2023/2/19追記
無事、PASを取得できました。
所感としては以前記載した通り、
SAP(ソリューションアーキテクトプロフェッショナル)を持っていれば、
非常にとっつきやすく、さらにはANS(高度ネットワーク)も取得していれば、
あとはSAP(こちらはSAPonAWSの方)に関わる箇所を覚える、という感じでした。
特に、バックアップと移行、については沢山問われたように思います。
2023/2/19追記ここまで
2024/6/26追記
2024/4/29を以て廃止されましたが、
参考のため記載は残しております。
2024/6/26追記ここまで
資格取得順序について
最後に肝心の資格取得順序について、ご紹介します。
2024/6時点で取得可能なAWS認定資格
・AWS Certified Cloud Practitioner (CLP)
・AWS Certified Solutions Architect - Associate (SAA)
・AWS Certified SysOps Administrator - Associate(SOA)
・AWS Certified Developer - Associate(DVA)
・AWS Certified Solutions Architect - Professional (SAP)
・AWS Certified DevOps Engineer - Professional (DOA)
・AWS Certified Security – Specialty(SCS)
・AWS Certified Advanced Networking - Specialty(ANS)
・AWS Certified Machine Learning - Specialty(MLS)
・AWS Certified Data Engineer - Associate(DEA)
2024/6時点で廃止済みのAWS認定資格
・AWS Certified Data Analytics – Specialty(DAS)
・AWS Certified Database - Specialty(DBS)
・AWS Certified: SAP on AWS - Specialty(PAS)
以降は基本的に略称で記述します。
とりあえず、
CLP⇒SAA
をまず最初に取得することをお勧めします。
会社で「AWSの資格を取得しなさい!」となったとき、上記二つがまずは推奨されると思います。
上記二つを取得後、残りの試験を以下カテゴリAとBに分けます。(完全な主観です)
・カテゴリA 試験として比較的容易であったり、問題集が結構出回っているもの
DVA、SOA、SCS、MLS
・カテゴリB 問題集が世間に出回っていないもの、出回っていたとしても骨が折れるもの
SAP、DOA、ANS、DEA
まずは、カテゴリAから取得していき、
全て取得or試験に慣れてきたらカテゴリBへ、というのが良いかと思います。
試験に割く時間が十分にあるのであれば、
カテゴリAから1つ、カテゴリBから1つ、
or
カテゴリAから2つ
を並行して勉強していくのも十分可能だと思います。
【カテゴリAについて】
推奨する資格順序は、以下の通りです。
DVA ⇒ SOA ⇒ SCS ⇒ MLS
まずは、アソシエイトを取ってしまう、
次に書籍が刊行されている高度資格を取得し、
最後に、少々毛色の違うDASとMLSの取得
という流れですね。
なお、高度資格において、何を一番最初に取得するのがよいか、と聞かれたら、
私は「セキュリティ(SCS)」と答えます。
セキュリティは参考書が刊行されているのと、
SAAの知識に肉付けされていくような印象があったので、
とてもシナジー良く学べる、と個人的には思っています。
「セキュリティ」は、全てのサービスにおいて考慮されるものとなります。
よって、ソリューションアーキテクトアソシエイトと同様に「広範囲」な試験となります。
が、同時に、サービスとして難解にはなりにくいのです。
だって、(試験関係なく)そのサービスのセキュリティの設定が難しかったら、
当然そんなサービスは流行りません。
AWSでオールインワンでやってくれるようなサービスのほうが人気が出るはずです。
また、一般的なセキュリティの考え方として、
リスクの許容や転嫁というものはありますが、
AWS試験においては、AWSの各サービスのセキュリティに対しての理解ですので、
AWSサービスのリスク/欠点を許容する(目をつむる)といった、実務的な(実践的な?)問題は出しにくいのです。
そういった実態も合わさって、
問題としてはストレートなものが多く、
結果的にその他の高度試験に比べたら「浅い」ような気がします。
毛色が違うと表現したMLSですが、
こちらは世間一般的な用語や技術に対する問題も多くある印象です。
(当然AWSのサービスに関する設問もありますが)
そのため、マシンラーニングを仕事としている方には、
比較的容易な試験かもしれませんが、
畑違いである場合は、AWSのサービスに加えて覚えることがある、となります。
よって、カテゴリAの中でも取得順は後ろの方にしています。
【カテゴリBについて】
カテゴリBの資格勉強はアソシエイトを取得してからでよいと思います。
推奨する資格順序は、以下の通りです。
SAP or DEA ⇒ DOA or ANS ⇒ PAS
最難関であるSAPを一番に持ってきている理由ですが、
そもそもカテゴリBを勉強しようとしている方は、
かなりの意気込みで資格取得をしようとしているのだと思います。
そのため、
・勉強に時間が掛かること
・AWSの広い範囲の知識を取得できること
を理由に、最初にSAPの資格取得を推奨します。
プロフェッショナル2種とANSについては、これからもずっとカテゴリBな気がします。
ANSは、NWの試験なので、登場人物ならぬ登場場所がどうしても多くなります。
グローバル展開で可用性を担保しつつ、といった問題は、
どうしても問題文から構成を想像しないといけないので、
問題文をちゃんと理解する力が問われます。
しっかり合格点に届くと思う!と自己評価して臨んだ試験で、
ほぼほぼ時間いっぱい使った試験は、SAPとANSだけでした。
試験結果は悪くなかったのですが単純に量が多いということが
これだけで分かるかと思います。
DOAは前述のとおり、2023/3に改定されることと、
腐ってもプロフェッショナルなので、それなりにややこしいです。
よって、プロフェッショナル2種とANSはカテゴリBです。
DEAは、2024/6現在最も新しい試験のため、
カテゴリBに入れていますが、
アソシエイトなのでそのうちカテゴリAになる試験だとは思います。
ポイント
・まずは、CLP⇒SAA
・アソシエイトは先に取ってしまう
・専門知識で一番最初にお勧めなのは「セキュリティ」
・試験に慣れてきたころにプロフェッショナル2種やANSのどれかを始める
さいごに
上記取得順序は、あくまでも参考です。
人それぞれの背景スキルがあるでしょうし、
敢えて難しいものから挑戦していくのもよいと思います。
少しでも効率よく飽きずに勉強でき、延いてはより多くの資格取得の助けになれば幸いです。
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2024/06/26 2024/6時点で取得可能/取得不可な試験を整理